
2層のマスキングが、分析全体を機密のまま通す
Phaide AI は、データの取り込み時と、チャット入力時のリアルタイムという2つのタイミングでマスキングを適用します。
取り込み時マスキングは、テーブルが Phaide に取り込まれた瞬間に動きます。メールアドレス、氏名、顧客 ID といった機密カラムを指定すると、それらの値はすべて、分析用データベースへ書き込まれる前に [masked#…] という形式の決定論的なトークンへ置き換えられます。元の値は別の場所に保管され、AI モデルにも、クエリを実行するコード 実行サンドボックスにも渡りません。
リアルタイムマスキングは、あなた自身が書く文章を対象にします。チャットで質問を入力すると、Phaide はその文面を、すでにマスク済みの値と照合します。実在する顧客名を貼り付けたり打ち込んだりした場合、それは同じトークンへ変換されてから、モデルへ送信されます。
マスキングは決定論的です。同じ値は常に同じトークンになるため、マスクしたカラムに対するグループ化・件数集計・結合はこれまで通り機能します。トークンと元の値の対応表は、サーバー側に残る別の逆引きインデックスに保持されます。値が元に戻るのは、回答・表・グラフが描画されるときだけです。つまり、あなたは実際の氏名を読み、AI はトークンしか扱っていません。
これはすべての分析画面に当てはまります。マスク済みデータベースは、チャット分析・ダッシュボード・自動探索エージェントが参照する唯一のコピーであり、各サンドボックスへ配布されるのもこのバージョンです。取り込みより後ろの工程に、元の値へたどり着く経路はありません。
漏れうる経路のすべてから、機密値を遠ざける
モデルが生の個人情報を受け取ることはありません。1か月前に取り込んだデータでも、1秒前にチャット欄へ打ち込んだ文字でも、AI とそのコードを動かすサンドボックスが見るのはマスク済みトークンであって、テーブルの中にいる「人」ではありません。
分析の精度は損なわれません。決定論的なトークンは行数・ユニーク数・結合を保つため、マスクした customer_id でも注文と顧客は結びつき、マスクした email でもきれ いに集計できます。失われるのは読める値であって、分析能力ではありません。
自由記述の穴もふさがります。AI ツールで最も起こりやすい漏えいは、データベースではなく、人がプロンプトに実名を貼り付けることです。リアルタイムマスキングはまさにそれを捕まえ、あいまい一致によって表記ゆれも検知するため、少し綴りが違ったり途中まで入力した値でも認識します。
例外の判断はあなたの手に残ります。候補が検知されると、値ごとにマスクするか無視するかを選べるため、たまたま顧客名に似ているだけの機密でない語が作業の邪魔をしません。各メッセージにはマスキングが適用されたかどうかが記録され、判断が見える形で残ります。
設定は一度きりで、どこにでも効きます。取り込み時に一度守ったカラムは、チャット・ダッシュボード・探索のすべてで守られ続けます。設定する場所が二か所に分かれることはなく、生データをひそかに読む画面も存在しません。
カラムを選んだら、あとはいつも通り
取り込み時マスキングの設定は、インポート中の数クリックで完了します。
- 左ナビゲーションから データベース を開き、データソースを追加または選択します。
- 取り込みの途中で、各テーブルに マスクするカラム の手順が現れます。テーブルの カラムマスキング ダイアログを開きます。
- テーブル内容 タブには実際のサンプル行が表示されます。任意のカラム見出しにある目隠しトグルを押すとそのカラムがマスクされ、セルは即座に
******に変わり強調表示されます。主キ ー列とカーソル列はマスクできず、無効状態で表示されます。 - 完了 で確定して取り込みを実行します。後から変更したい場合は、データソースを開き、テーブルツールバーの マスク ボタン(マスク中のカラム数が表示されます)か、設定 タブ内の マスク セクションを使います。変更は次回の実行から反映されます。
ダイアログはすべてを文脈の中で示します。マスク済みカラムはサンプル表で強調表示され、何カラムを保護しているかのカウントが表示され、「マスキングの仕組み」の短い説明が、選択した値は取り込み時に変換され探索分析には元の値ではなくマスク済み値が渡る、と伝えます。覚えるべき別個のルールエンジンはなく、重要なカラムを指し示すだけで、残りの取り込みは通常どおり進みます。
リアルタイムマスキングに設定は不要です。チャットに入力するだけで、値がマスク済みデータと一致すると強調表示され、小さな マスクする / 無視する のツールチップが出ます。マスクする を選べばその値は伏せられ、メッセージはマスク済みとして、その値をトークン化したうえで送信されます。検知は入力に合わせてデバウンスされるため、普通に書く速度を妨げません。
データから得る示唆はチームのもの。その中の「個人」まで渡す必要はない
どの組織も自社データに AI を活かしたいと考え、そしてほとんどの組織が同じ一線で立ち止まります。実在する顧客の identity をモデルに渡すことです。Phaide は、その取引を迫られないように作られています。一度オンにすれば、 これまで通りに分析を続けながら、傾向だけを流し、人はプライベートなまま守れます。
FAQ
AI が元の値を見ることはありますか? ありません。マスクしたカラムはトークンとして分析用データベースに書き込まれ、入力した自由記述も送信前にトークン化されます。モデルとそのサンドボックスが受け取るのはマスク済みトークンだけです。
マスキングでグラフや集計が壊れませんか? 壊れません。マスキングは決定論的なので、同じ値は常に同じトークンに対応します。マスクしたカラムの件数・ユニーク数・結合は、生の値と同じように動作します。
取り込んだ後でマスク対象カラムを変更できますか? できます。データソースを開き、テーブルツールバーの マスク ボタンか 設定 内の マスク セクションを使います。更新したマスキングは次回の取り込み実行から適用されます。
リアルタイムマスキングは誤字や部分入力も検知しますか? 検知します。あいまい一致を用いるため、少し綴りが違う値や途中までしか入力していない値でも検出し、マスクの候補として提示します。
マスクした値は製品内で元に戻せますか? 戻せますが、サーバー側でのみ、しかも結果があなたへ返るときだけです。そのためあなたは回答や表で実際の氏名を読めます。逆引きのためのマッピングがモデルやサンドボックスへ渡ることはありません。
直接接続(ライブ接続)の場合はどうなりますか? 直接接続はソースに対してライブクエリを実行する方式で、マス キング・差分同期・スケジュールは利用できません。マスキングが必要な場合は通常の取り込みをご利用ください。
開発者 API でアップロードしたデータはマスクできますか? そのエンドポイントでアップロードしたデータはマスクされません。マスキングが必要なデータは通常の取り込みフローをご利用ください。